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GA4を見ても施策が決まらない

GA4を見ても施策が決まらないのイメージ画像

月次会議の資料に、ユーザー数、セッション数、エンゲージメント率、流入チャネル、閲覧ページが並んでいる。前月比の増減には色も付いています。それでも会議の最後に残るのは、「引き続き様子を見ましょう」という結論です。

GA4を導入し、定期的に数字を確認していても、施策が変わるとは限りません。数字を取得することと、数字から判断することの間には、もう一つ設計が必要だからです。

GA4のレポートは、ウェブサイトやアプリで起きた行動を把握するための材料を提供します。ただし、どの数字を重視し、何を変更すべきかは、自社の目的や施策によって異なります。レポートを開けば答えが表示されるわけではありません。

レポートを開く前に判断を決める

分析が止まりやすいのは、取得できる数字からレポートを作る場合です。GA4には多くの指標やディメンションがあるため、表示できるものを追加していくと、資料は詳しくなります。一方、会議で決めることは曖昧なままです。

順序を逆にします。最初に、今回の会議で判断することを一つ決めます。

  • SNSからの発信を継続するか
  • 検索から訪れた人向けに導線を直すか
  • 特定のランディングページを改善するか
  • 読まれていない記事を更新するか
  • 重要な行動として計測するイベントを見直すか

判断が決まると、必要な数字を絞れます。SNS施策を判断するなら、サイト全体の数字を広く並べるより、対象期間、流入元、入口となったページ、その後の行動をつなげて見た方が実務的です。

一つのレポートで経営、広告、SEO、コンテンツ、サイト改善のすべてを説明しようとすると、誰にとっても情報が多くなります。会議ごとに決めることを限定し、その判断に不要な指標は外します。

流入・行動・重要な行動をつなげる

施策判断では、数字を三つの段階でつなげます。

一つ目は「どこから来たか」です。GA4のトラフィック獲得レポートでは、セッション単位のチャネル、参照元、メディアなどを確認できます。発信や施策が、訪問の入口を作れたかを見る段階です。

二つ目は「訪問後に何をしたか」です。入口となったページ、閲覧されたページ、エンゲージメント、発生したイベントなどを確認します。流入が増えても、すぐに離れているのか、別のページへ進んでいるのかで評価は変わります。

三つ目は「重要な行動へ進んだか」です。GA4では、事業上重要な行動を計測するイベントをキーイベントとして扱えます。何を重要な行動とするかは、問い合わせだけに限定されません。記事から関連ページへ進む、資料の案内を見るなど、施策目的に合った行動を先に定義します。

入口の数字だけを見れば、流入が多いチャネルが高く評価されます。重要な行動だけを見れば、その前に読者を連れてきた施策を見落とすことがあります。三段階をつなげることで、どこにボトルネックがあるかを切り分けられます。

ユーザーとセッションを混ぜない

GA4では、似た名称でも対象範囲の違うレポートがあります。ユーザー獲得レポートは、新しいユーザーが最初にどこから来たかを見るためのものです。トラフィック獲得レポートは、セッション単位で訪問の流入元を確認します。

同じ人が最初は検索から訪れ、後日メールや直接アクセスで戻ることもあります。新規ユーザーを獲得した経路を評価するのか、今回の訪問を生んだ施策を評価するのかによって、見る範囲を変える必要があります。

会議資料に「流入元」とだけ書くと、この違いが見えません。少なくとも、ユーザー単位なのかセッション単位なのか、対象期間はいつか、どのページやチャネルを含むのかを併記します。

数字の定義を揃える目的は、用語を正確に覚えることではありません。翌月も同じ条件で比較し、増減の理由を施策側へ戻せるようにすることです。

増減を施策変更へ翻訳する

レポートには、数値と前月比だけでなく、次の四項目をセットで残します。

  1. 観測した変化
  2. 変化が起きた理由の仮説
  3. 次回までに変更すること
  4. 変更後に確認する指標

たとえば、SNSからのセッションが増えた一方で、エンゲージメントが弱かったとします。「SNS流入が増えた」で報告を終えず、投稿文とリンク先の内容が一致していたか、入口ページに次の導線があったかを仮説として置きます。

次回は投稿数をさらに増やすのではなく、対象読者とリンク先が一致する投稿を一本試す。確認する数字は、流入数だけでなく、エンゲージメントや次ページへの行動にする。この形まで落とせれば、数字が施策変更へつながります。

仮説は正解である必要はありません。変更内容と確認指標を残しておけば、次回の結果から仮説を修正できます。根拠を持たずに施策を増やすことと、小さく試して学ぶことを分けられます。

次回確認日まで決めて会議を終える

施策を変更しても、確認日がなければ実行した時点で完了になります。数字が十分に集まる期間を考え、誰がいつレポートを見直すかを決めます。

確認時には、変更前と同じ条件で比較します。対象期間、チャネル、ページ、指標が毎回変わると、施策の影響なのか集計方法の違いなのか判断できません。

GA4を活用するとは、すべての機能を使うことではありません。決めたいことに必要な数字を選び、観測、仮説、変更、再確認を繰り返せる状態を作ることです。

次の会議資料から指標を一つ選び、「この数字がどうなったら、何を変えるのか」を一文で書いてみてください。書けない場合、足りないのは新しい指標ではなく、その数字に任せる判断かもしれません。