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KPIが多すぎる問題

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ダッシュボードには数字が並んでいるのに、会議の最後に次の一手が決まらない。KPIを増やしたはずなのに判断が速くならないとき、現場は数字を見ること自体に疲れ始めています。

KPIは多いほど精密に管理できるように見えます。しかし、追う数字が増えすぎると、どの数字を見て行動を変えるのかが曖昧になります。大事なのは、数字の数ではなく、判断につながるかどうかです。

数字が多いほど迷いも増える

KPIを増やす出発点には、見落としを減らしたいという自然な意図があります。ところが、会議で全部を確認しようとすると、異常値の説明だけで時間が過ぎます。数字は増えているのに、打ち手の選択はむしろ遅くなります。

現場から見ると、何を優先して動けばよいのかが分からなくなります。すべて重要と言われるほど、日々の判断では声の大きい数字や直近で悪化した数字に引っ張られます。

現場では、悪い数字が出るたびに新しい確認項目が足されます。すると、次の会議では見るべき数字が増え、数字の説明に時間を使い、肝心の行動変更が後ろに下がります。

残す数字を決める会議にする

KPIを見直すときは、追加するより先に残す数字を決める方が効果的です。今月の行動を変える数字、顧客の状態を早めに示す数字、マネジメントが支援を入れる判断材料になる数字。この三つに絞るだけでも会議の焦点は変わります。

たとえば商談数、提案数、受注率を同じ重さで見るのではなく、今の課題が商談前の仮説不足なのか、提案後の停滞なのかを見ます。課題が違えば、残すKPIも変わります。

残すKPIを決めるときは、経営側だけで完結させない方が実務に合います。その数字を見た営業担当者やマーケ担当者が、明日どの行動を変えられるのかまで確認します。

KPIを行動の入口にする

KPIは評価のためだけに置くと、報告用の数字になります。行動の入口にするなら、数字を見た後に何を確認するかまで決めておきます。

受注率が下がったなら、価格の問題なのか、決裁者に会えていないのか、比較軸を作れていないのか。数字の次に見る事実が決まっていると、KPIは現場を縛るものではなく、会話を始める材料になります。

たとえばリード数が増えているのに商談化しないなら、追うべきはリード数の追加ではなく、初回接点で何を聞いているかかもしれません。数字の次に見る現場行動を決めると、KPIは使えるものになります。

減らした後の運用を決める

KPIを減らしても、会議の使い方が変わらなければ判断は速くなりません。残した数字を見た後、誰が何を確認し、どの行動を変えるのかまで決めます。

数字の一覧を短くすることより、数字から会話が始まることの方が重要です。運用が変わって初めて、KPIを減らした意味が出ます。

少ない数字を深く見る

KPIを減らすことは、管理を緩めることではありません。むしろ、残した数字を深く見るための選択です。

次の会議で扱う数字を一つ減らし、その代わりに数字の裏にある顧客行動や現場行動を確認する。そこから始めるだけでも、KPIは一覧表から判断材料へ変わります。

KPIを減らすと、最初は不安が出ます。見落としが増えるのではないかと感じるからです。ただ、重要な数字を深く見る時間が増えれば、表面的な網羅よりも早く異変に気づけます。